産地偽装米騒動-マスコミはなぜ消費者の食の安心に無関心なのか? – BLOGOS

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週刊ダイヤモンド誌に産地偽装米スクープ記事が掲載された2月以降、ずっとこの問題に関心を寄せておりましたが、先週金曜日(4月21日)、JA京都中央会の特設HPに、記事の信用性に影響を及ぼす重大な鑑定結果が公表されました。ダイヤモンド誌が、京都の米卸業者の販売する産地米に「中国産が混じっていた」と報じる根拠となった鑑定書を作成した研究所が、JA京都中央会からの再鑑定依頼に対して「すべて国産米」という鑑定結果を出したそうです(鑑定書も添付されています)。同研究所は、たしか最初は再鑑定を拒絶しておられたようですが、最終的には鑑定をされたのですね。

「中国産が混じっている」からといって、決してお米の安全性に問題がある、とは申しません。ただ、日本産ということだけでなく、産地をきちんと明記してお米を販売することは、お米の流通に関わる方々にとって、ブランドを守る事業者の経営問題を越えて、消費者の「食の安心」に関わる重大な責務です。したがって、経済誌のスクープ記事は(このシリーズの最初のエントリーで申し上げましたとおり)消費者に与える影響が大きい以上、他のマスコミはよほどのことがない限りは後追い記事を書かないのでありまして、その点においては私の想定通りでした。

ただ、実際には農水省も行政調査に動き、ダイヤモンド誌も翌週号に第2弾の記事を掲載したことから、この米卸事業者は、未だに関西で100店舗以上の販売店から販売停止処分を受けており、経営面に深刻な打撃を受けたままです。もちろん、米卸事業者側としても刑事、民事の法的手続きを進めているそうですが、ご承知のとおり最終結論が出るまでには相当の年月を要するのであり、この米卸事業者には法的な結論を待つだけの経営上の余裕は残されていない可能性があります。今回のダイヤモンド誌側が依拠した鑑定結果が再鑑定によって別の結果となった以上、事業者としてやれることは全てやり尽くしたと評価できます(とりあえず、コンプライアンス経営という視点からの私の関心はここまでです)。

ところで、本来ならば行政調査の結果が速やかに出されるべきとは思いますが、JA京都中央会側の問い合わせに対して、未だ農水省からの回答はないそうです。ダイヤモンド誌といえば、経済誌として信用されているブランドですし、その記事も真実性が高いものと評価されています。この状況のままですと、どう考えても(世間的には)当該米卸業者の産地偽装疑惑は払しょくされないまま「グレー企業」としての烙印を押されてしまいます。また、ダイヤモンド誌が信用性の高い記事を書くメディアだけに、世間的には産地偽装米が、農水省の調査もあいまいなままに世間に流通している、と認識された状況が継続します。

この状況を受けて、せめてダイヤモンド誌と同じくらい信用性の高い記事を書かれているマスコミの方々が、「ファクト」(事実経過)だけでも報じるべきではないでしょうか?これは、米卸事業者の信用を回復するために、というわけではなく、消費者に及んでいる「食の安心」への脅威を少しでもなくすためです(おそらく2月以降「ファクト」をこれまで報じているのは大阪ローカルの毎日放送さんだけだと思います)。たとえば著名な経済誌がスクープとして「食の安全・安心」に関する記事をアップしたとしても、消費者としてはこの記事を冷静に受け止めることが必要、鑑定といっても、結論はファクトではなく意見にすぎない・・・その教訓だけでも「自己責任を問われる時代」の消費者教育の一環ではないでしょうか。





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