中小を圧迫する商慣行改めよ – 日本経済新聞

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 政府は中小企業の働き方改革や生産性向上を後押しするため、関係省庁の連絡会議を発足させて議論を始めた。生産性の低迷につながっている長時間労働の是正と併せ、大企業からの過度な短期納入の要求など、過重労働の背景にもなっている取引慣行の改善に重点的に取り組んでほしい。

 雇用されている人の7割は中小企業で働いている。ここで効率的な働き方が広がって生産性が高まれば、経済を活性化させる効果が大きい。公正な取引が浸透するよう政府は努力すべきだ。

 総務省の2016年の労働力調査によると、規模の小さい企業は長時間働いている人の割合が大企業に劣らず多い。月末1週間の就業時間が60時間以上の人の比率は、従業員1~29人の企業で7.8%、30~99人で8.1%と、500人以上の7.2%を上回る。

 政府は今月下旬に召集される臨時国会に、罰則付きの残業規制を設ける労働基準法改正案を提出する。ただ、こうした制度改革に加えて、中小企業の長時間労働を根本から改善する取り組みが求められる。

 企業自身、仕事の進め方の見直しやIT(情報技術)活用を進めねばならないのはもちろんだが、そうした努力が実を結びやすくする環境整備は政府の役割である。

 中小企業が挙げる長時間労働の原因で多いのは、取引先が要求する納期が極端に短い場合があることだ。中小企業庁や公正取引委員会には監視の強化を求めたい。

 下請け企業が製品の納入時に、対価をもらわずに倉庫へ荷物を搬入している例もみられる。こうした取引慣行も中小企業の生産性の低下につながっている。著しく低い代金での発注などを禁じた下請法違反の取り締まりを含め、不透明な取引慣行を多面的に監視する必要がある。

 長時間労働は人材の採用で不利になったり、離職者が増えたりする原因にもなる。中小企業の人手不足対策の観点からも長時間労働を改めることは急務だ。





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