年金支給漏れ 失態を何度重ねるのか – 北海道新聞

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日本年金機構 情報流出 コメントはまだありません



 またもや年金を巡る不祥事が明るみに出た。

 厚生労働省は、元公務員の妻らを対象に、65歳から受け取る基礎年金に一定額を上乗せする「振替加算」で、1991年以降、約10万6千人に計約598億円の支給漏れがあったと発表した。

 同一の仕組みで発覚した年金未払いとしては過去最大規模だ。

 主な原因は、支給実務を担う日本年金機構と、公務員らの加入者データを機構側に提供する共済組合の連携不足にあるという。

 あまりにずさんな管理体制と言うほかない。

 旧社会保険庁から日本年金機構に看板を掛け替えても、一向に変わらぬ体質には驚かされる。

 政府は、このようなでたらめな状態が、なぜ、長年放置されてきたのか徹底的に究明し、責任の所在を明らかにするべきだ。

 振替加算は、国民年金加入が義務化された86年以前に、加入していなかった専業主婦らの年金が低くならないよう導入された。

 2003年に約300億円の支給漏れが判明するなど、常にミスがつきまとった。

 15年に公務員らが加入する共済年金を廃止し、会社員向けの厚生年金と一元化した。この際、総点検を行ったことが、今回、大量の未払いが発覚したきっかけだ。

 そもそも二つの年金を一元化したにもかかわらず、年金機構と共済組合の両事務組織を別々に残した。このため、きちんと情報を共有できず、ミスを生み出す温床となったとの指摘がある。

 二つの組織の間で、データの照合という基本作業ができていなかったとしたら、緊張感を欠いており無責任だ。

 両者の統合など抜本改革を検討しなければならない。

 支給漏れは、1人当たり最高590万円、平均では56万円になる。既に亡くなった人も約4千人に上り、取り返しがつかない。

 旧社保庁時代の07年に該当者不明の年金記録が約5千万件あることが大問題となり、15年には年金機構から個人情報約125万件が流出した。年金への信頼を揺るがす失態である。

 少子高齢化で年金の受給開始年齢が段階的に引き上げられ、制度も複雑になった。

 年金が老後の支えとして本当に役に立つのか、との疑念を抱く国民も増えている。

 加えて、年金事務を担う組織がこの体たらくでは、制度への不安は募るばかりだ。





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