電磁パルス攻撃 拠点施設の防衛策を怠るな – 読売新聞

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国交省「土地情報システム」個人情報流出問題 コメントはまだありません



 北朝鮮の喧伝けんでんの真偽は不明だが、不測の事態にも備えて、対策を着実に講じる必要がある。

 北朝鮮が、3日に強行した核実験について「超強力な電磁パルス(EMP)攻撃をできる熱核弾頭だ」などと主張している。

 EMP攻撃は、大規模な爆発で生じる強力な電磁波を利用し、地上の電子機器などを破壊するものだ。核爆弾を高高度で爆発させれば、影響は広範囲に及ぼう。

 人間や建物に直接の被害は生じないが、電気・水道や鉄道・航空機は停止し、インターネットもマヒする。復旧には数年以上かかるとの試算もあり、国民生活への深刻な打撃が懸念される。

 小野寺防衛相は、北朝鮮の主張に「唐突感がある」と語った。「(核弾頭の)再突入技術がない、と言われていることへの反論ではないか」との見方も示した。

 EMP攻撃を巡っては、冷戦期から米国とソ連が開発を競ってきた。ロシアから北朝鮮へ技術が流出した可能性は否定できない。直接の人的被害が出ないとして、使用を躊躇ちゅうちょしない恐れもある。

 内閣官房と防衛、経済産業、国土交通各省などは、対策の検討に着手した。菅官房長官は「重大な関心を持っている」と述べた。手をこまぬくわけにはいくまい。

 米軍は、有事の拠点施設を中心に、電磁波の防御対策を進めている。防衛省も基礎研究を続け、一部の指揮中枢施設の地下化、通信網の多重化などを図っている。来年度予算では、通常兵器のEMP弾の試作費も要求した。

 ただ、社会インフラの対策はほとんど手つかずだ。

 電磁波を遮断するには、電線へのフィルター装着や、建物を鉄で覆うことなどが有効とされる。すべての建物に対策を施すのは予算面でも困難だが、優先順位を付けて、順次、取り組むことが、万一の際の被害軽減につながる。

 無論、より重要なのは、日米のミサイル防衛によって、EMP攻撃を未然に阻止することだ。

 仮に北朝鮮が日本に向けて核搭載ミサイルを発射した場合、イージス艦搭載の迎撃ミサイルで確実に撃ち落とすことが、現時点で最も有効な防衛手段である。

 日米が共同開発した改良型ミサイルの導入を急ぎ、迎撃の能力と精度を高めることが大切だ。

 EMP攻撃の実態については、解明されていない点も多い。政府には、いたずらに国民の不安をあおらず、適切な情報公開に努めることが求められよう。





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