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「知る権利」後退させるな

2017年9月15日 午前7時30分



 【論説】森友学園に対する国有地売却や加計(かけ)学園の獣医学部新設計画、南スーダンでの国連平和維持活動(PKO)の日報隠蔽(いんぺい)問題などを巡り、記録文書の保存、公開のあり方が批判を浴びている。これを受け、有識者でつくる内閣府の公文書管理委員会がガイドラインの見直しを進めている。

 今秋中にも見直し案を作り、パブリックコメントを経て年内に新たなガイドラインを決定するとしているが、問題の「保存期間1年未満」とする文書は膨大でさまざまな種類が含まれている。実態把握が可能なのだろうか。スケジュールありきではなく、十分に時間を掛け詰めてもらいたい。

 森友学園問題では、国有地を8億円余りも値引きして売却した経緯を追及された財務省が、面会や交渉記録を保存期間1年未満の文書として廃棄したことを言い逃れにして説明を拒否し続けた。

 加計学園問題では、内閣府から「総理のご意向」などと圧力があったとされる文部科学省の記録文書を巡り、文科省側は当初「行政文書としては存在しない」とし「怪文書」扱いもされた。批判を受け再調査し約1カ月後に個人のメモやメールを公開。ここでも本来非公開のものであることを繰り返し強調した。

 PKOの日報問題では、情報公開請求に対して、陸上自衛隊側が廃棄したとして不開示にしたのが事の発端だった。

 委員会は保存期間1年未満とする文書の範囲や廃棄する場合の責任を明確にする方針で、保存か廃棄かを決める責任者を省庁に置き、複数の省庁が絡む文書は責任者同士がすり合わせする案が出ているという。

 公文書管理法では行政文書を「行政機関の職員が職務上作成し、組織的に用いる」ものと定義。保存期間は1年、5年、30年など5段階あり、省庁が決める。期間満了で廃棄する場合は首相の同意が必要としている。恣意(しい)的に1年未満とし廃棄した場合、文書の中身や分量などは“闇の中”となってしまう。

 見直し案では、責任者はあくまで身内であり妥当な判断かができるのか疑問が残る。廃棄に関しては専門家ら第三者の目を入れるべきだろう。加計学園問題がまさにそうだったように、政権にとって都合の悪い文書を、人事権を握られた官僚が「個人メモ」扱いすることで、保存・公開外になってしまう。あしき慣行の実態にも目を向け、メスを入れる必要がある。

 防ぐためには、個人メモでも共有フォルダーに保存されたり、メール送信で回覧されたりするなど「組織的に用いる」ことになったものは行政文書扱いにすべきだ。政策決定の過程を残し公開することは現在の国民はむろん、将来世代への責務でもある。

 委員会には、こうした個人メモも公開対象にするなど抜本的な見直し、基準の明確化を求めたい。情報公開は民主主義の根幹だ。国民の「知る権利」を後戻りさせる見直しであってはならない。

 

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