天下り調査 どこまで実態に迫れたか – 西日本新聞

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文部科学省天下りあっせん問題 コメントはまだありません



 中央官僚の天下りの実態にどこまで迫れたのか。疑問が残る調査結果だと指摘せざるを得ない。

 政府は全府省庁対象の天下り調査の結果を公表した。文部科学省で計62件が確認された組織的天下りを受けて実施した。その結果は5カ月以上かけた調査とは思えないほど物足りない内容だった。

 調査報告書によると、現行の天下り禁止ルールが導入された2008年12月以降、国家公務員法の再就職規制違反の疑いがある事例が計27件あった。うち25件は再就職に省庁の現職職員が関与、残り2件は再就職者が在職中に利害関係団体に求職活動をしたという。

 しかし関係府省庁は「少なくとも12省庁」としただけで、省庁名や再就職先などは公表しなかった。政府は「まだ疑いの段階」とするが、少なくとも違反をした疑いのある省庁名を明らかにしないと国民には意味不明である。

 文科省のような組織的違反は今回「確認できなかった」という。本当に文科省だけに突出した問題だったのだろうか。

 調査方法にも疑問が残る。国家公務員法が義務付ける再就職の届け出をした6372人に調査票を郵送して回答を求めた。府省庁幹部への聞き取りを加味したというが、自己申告型のお手軽調査だ。

 届け出そのものがなされていなかった事例も今年1~5月だけで82件あった。制度の形骸化をうかがわせるが、この問題も背景などに踏み込むことはなかった。

 これでは調査をしたというアリバイづくり-と指摘されても仕方ない。曖昧なまま問題の幕引きを図ったとの疑念すら思い浮かぶ。

 天下り問題の震源地となった文科省は近く、再発防止策として職員の再就職手続きに違法性がないか監視する第三者チームを設けることを決めた。政府全体にあってもおかしくない組織である。

 違法天下りの根絶も改造内閣に引き継がれた課題だ。文科省の違法事案を認定した政府の再就職等監視委員会が今後、改めて全府省庁を詳細に調査するという。問題の核心に迫る調査に期待したい。

=2017/08/05付 西日本新聞朝刊=





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