マイナンバー:連携システムに不備 今秋の本格運用遅れも – 毎日新聞 – 毎日新聞

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日本年金機構 情報流出 コメントはまだありません



厚労省によるシステム設計不備の影響イメージ図



 マイナンバーを活用して、官公庁や医療保険者などの公的機関が個人情報をやり取りする情報連携システムの準備状況を会計検査院が抽出調査したところ、システム設計の不備などから少なくとも全国145機関で今年秋の本格運用開始が遅れる見通しであることが分かった。保険給付や保険料徴収といった一部の業務で情報連携ができず、住民側は引き続き、課税証明書など「紙の書類」の添付を求められる。

 情報連携の運用がスタートすれば、紙の書類に記載される個人情報が、公的機関の間でマイナンバーにひも付けされて共有される。国は2015年の日本年金機構の個人情報流出問題を受け、開始時期を17年1月から半年後に延期した。今月18日から3カ月程度の試行を経て本格運用を予定している。

 検査院は12~16年度にシステムを整備した官庁や医療保険者など計170機関を対象に準備状況を調べた。

 不備が最も多く見つかったのは、厚生労働省所管の126機関(90の国民健康保険組合、35の後期高齢者医療広域連合など)。各機関は、厚労省がまとめた設計図に基づきシステムを構築したが、保険給付などの手続きに必要な個人の所得を市区町村に照会しても、不動産譲渡や株式売却益などに関する一部の情報が提供されないことがテスト段階で判明した。改修作業が必要となっており、18年7月まで連携開始が延期された。検査院は、厚労省が業務を担う現場の意見を十分考慮しなかったことなどが不備の要因とみている。

 同様の不備は、文部科学省所管の日本学生支援機構の奨学金貸与手続きでも見つかり、連携開始は18年7月に先送りされた。

 このほか、流出問題の影響で、年金機構の情報連携の開始時期は現時点で決まっておらず、農業者年金基金など計16機関が年金機構に対し、照会ができない状態だ。また、年金機構と同時に情報連携を始める予定の国家公務員共済組合連合会も開始のめどが立っていない。

 国のマイナンバー制度の総合調整役である内閣官房は、情報連携ができない業務は一部とした上で「住民に極力影響が出ないよう各省に方策をお願いしている」としている。【松浦吉剛、島田信幸】

内閣官房サイト、半数が「不満」

 「情報連携」に向けた官公庁や医療保険者などのシステム整備を支援するため、内閣官房は情報共有サイトを設けている。サイトの使い勝手について会計検査院が1058機関にアンケート調査を行ったところ、利用実績がある機関からの回答のうち、約半数が否定的な評価だった。

 内閣官房は2014年5月から、必要な文書や各機関に共通する疑問への回答をサイトで公開。情報の検索機能も追加してきた。

 アンケート調査の結果は、「不満」「やや不満」が計247件。一方、「満足」「やや満足」は計252件でほぼ同数だったものの、自由回答欄には「資料が体系的に整理されていない」「専門的で分かりにくい」などと否定的な評価の記述が散見された。サイトの使いにくさを理由に、自ら解説サイトを設けた機関もあったという。

 会計検査院は内閣官房に対し、各機関が的確に情報を入手できるよう支援の充実を求めた。しかし、内閣官房は「情報連携の試行が7月に始まり、今後はサイトの利用減少が見込まれる。改修は予定していない」としている。【島田信幸】

 【ことば】マイナンバーによる情報連携

 国や地方自治体、医療保険者などの間で、社会保障や税などの行政手続きに必要な個人情報をネットワーク上でやり取りする。内閣官房によると、情報連携の本格運用がスタートすれば、住民側は児童手当や公営住宅の入居、介護保険料の減免など1000以上の行政手続きで、申請書にマイナンバーを記載すれば、これまで必要だった住民票や課税証明書など「紙の書類」の添付が不要となり、行政の事務負担も軽減されるという。






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