「佐村河内とはいつも喫茶店の喫煙ルームで打ち合わせしていた」西寺郷太×新垣隆 “ゴーストライター騒動”を語る【最終回】 – 日刊SPA!

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「新垣氏を利用する佐村河内氏」、「佐村河内氏に作曲能力なし」といった従来のイメージは、前回までの対談の中で崩壊した。では、本当の佐村河内氏の人物像とはどのようなものなのか? 話題を再び映画『FAKE』に戻して、西寺郷太氏がミュージシャンならではの視点から疑惑の核心に迫るインタビューはいよいよ最終回を迎える。

西寺:頑張って名を成そうとしている佐村河内さんを手伝うプロの音楽家の新垣さん。その関係性の中で、新垣さんが書いた曲を佐村河内さんは褒めてくれるわけですよね。

新垣:もう絶賛してくれます。

西寺:「これ、めっちゃいいじゃないですか!」って。「あなた天才だ!」って言いながら自分の名前で発表しちゃう(笑)。でも少なくともゴーストライターの件にだけフォーカスすれば、なにか佐村河内さんって憎めないキャラクターですよね、新垣さんの曲を絶賛するシーンを思い浮かべると、微笑ましいですもん。例えば佐村河内さんは新垣さんの作品に何か足したり、アイディアを加えたりするんですか? 繰り返しを増やそうとか、打楽器を足そうとか。このメロディを変えようとか。初期以外、彼が根本的な意味での作曲はしていないということはわかりましたが、アレンジ的なことはしていたんですか?

新垣:打楽器3発追加というのはありました。1時間の曲の中に。その3発は彼にとっては(広島をイメージさせる)「平和の鐘」という意味があるんです。

西寺:その鐘は、どうやって足したんですか?

新垣:私がデモとして演奏を録音して、それを聴いて修正するわけです。

西寺:え? 録音を聴いて、修正?

⇒【写真】はコチラ https://nikkan-spa.jp/?attachment_id=1292425

新垣:はい。私は彼とずっと普通に話していましたので、僕にとって耳が聴こえるのは当たり前の話なんです。

西寺:ということは、二人の間で「現代音楽を普通に追求しても芽が出ないので、これからは話題作りのために耳が聴こえないことにしようと思う。それに関しては新垣さん黙っててね」といったやり取りがあったんですか?

新垣:そうですね。それに近いことはありました。その辺のことを書いた著書(『音楽という<真実>』)のサイン会が、映画の中のワンシーンです。あの映画は、製作段階から「佐村河内と新垣の関係が180度ひっくり返る!」と銘打たれていて、それで突然サイン会に森さんが現れたんです。アポなしだったのでびっくりしましたが、そのときに私が思っていたのは「映画は絶対に完成しないだろう」ということです。

西寺:どういう意味ですか?

新垣:「佐村河内守では映画が成立しない」と思ったからです。支離滅裂ですから。そこは森さんの手腕を少し侮っていましたね。ただ、私の知っている真実は著書にすべて書いたので、森監督も読んでくれているはずです。

西寺:そこなんですよね。森監督は取材を繰り返す中で、佐村河内さんをとりまくいろいろな事情を理解し、そのうえで映画を完成させたはず。森監督は単に何でも相手の主張を信じる善良な人間じゃなくて、何事も疑う視点を持ってるからこそドキュメンタリー作家として名をなしているわけですから。音楽のプロではないぶん、耳について執着されていると感じました。で、最初はともかく密着する中で「真実」を完全に分かったうえで、「それもひっくるめて映像や編集で人を騙すことは簡単なんだぞ」って言っているんではないか、と。タイトルもズバリ『FAKE』ですし。

新垣:「“FAKEとREALの境”は何なのか?」という根本的な問題も出てきますよね。彼は嘘を言っているかもしれませんが、あれが彼の素なんです。だから、それを知っている私は映画に何の疑問も持たなかった。



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