つかみどころのないままに – 山陰中央新報

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 今年の衆院選をゆっくり振り返ってみると、つかみどころのなさばかりが増してくる。政治は生き物とはいうものの、過去の常識で読み解けず、10年、20年後のこの国を、見通せない要素が増えた▼一つは「リベラル」政党の行方。リベラルという言葉は元々、はっきりとした何かを指したわけではなく、政治に改革を求める側や、自民党などの保守に対しての野党・リベラル陣営、というように使われてきた▼ところが今回、憲法に対して自民が「改革」を主張、一方の既成野党側は戦後の価値観を守れという「保守」的な主張だった。いつの間にか入れ替わったことで、政治に関心のある人ほど戸惑ったのではないか▼ここ20年、政治改革の主眼は「政権交代」。これも後戻りした。自民1強支配や官僚政治からの脱却がいわれ、小選挙区制導入で政権交代が容易になるといわれながら、数回の政変を経て今や交代できる勢力は見えない▼侮れないのがポピュリズム(大衆迎合)だ。物事を単純化し、敵を設定、善悪二元論の劇場型選挙だと、小池新党などはさんざん非難されたが本来は庶民感覚に直結する直接民主主義的な性格もある。良くも悪くもこの傾向は強まるのだろう▼少し前は地方創生が持ち上げられていたが地方への視点は後退したようだ。国会はスキャンダル論戦に忙殺され、人口政策や後継者不足に悩む農業、商業、産業政策を忘れていないか。政治家の職業意識の薄さ。つかみどころのなさはそこから湧いてくるような気がする。(裕)

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