「1強」拡大 反対の声を切り捨てるな – 西日本新聞

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 安倍晋三首相(自民党総裁)はきのうの記者会見で「国民の厳しい視線が向けられている。今まで以上に謙虚で真摯(しんし)な政権運営に努める」と述べた。

 国民に約束したその言葉を今度こそ誠実に守ってもらいたい。

 巨大与党が支える首相の「1強」政治に対する信任が問われた衆院選で、与党は結果的に「1強多弱」の政治状況を拡大させた。

 有権者は「政治の安定」に安全保障をはじめ社会保障や経済再生など政策課題の実現を期待したのだろう。野党側の分裂と競合がそれを許した事情も大きい。

 自民、公明の与党で定数の3分の2(310議席)を超す圧勝である。自民単独でも国会運営を安定して主導できる絶対安定多数(261)を大きく上回った。

 立憲民主党が野党第1党に躍進したとはいえ、当選者は与党の6分の1程度にすぎない。与党と野党第1党との議席差は改選前よりも広がった。

 だからといって、国民は安倍政権に白紙委任したわけではない。

 これまでも首相と与党は選挙で経済最優先と訴えながら、勝利すると国民の知る権利を侵しかねない特定秘密保護法、憲法違反の疑いが拭えない安全保障関連法、「共謀罪」を含む改正組織犯罪処罰法などを「数の力」で強引に成立させてきた。

 政権に絡む「森友・加計(かけ)学園問題」や防衛省の日報隠蔽(いんぺい)問題も明るみに出た。相次ぐ不祥事や暴言・失言を含めて「1強」のおごりや緩みは目に余る。

 投票後の有権者を対象にした共同通信社の出口調査では「首相を信頼していない」との回答が51・0%と過半数に達し「信頼している」の44・1%を上回った。

 首相と与党は当然、野党に投票した有権者を含めた全国民に政治的責任を負う。東京都議選で首相が言い放ったように、政権に批判的な国民を「こんな人たち」と切り捨てることは許されない。

 「1強」拡大の状況だからこそ、反対意見や少数意見を尊重する丁寧な政治を心掛けてほしい。

=2017/10/24付 西日本新聞朝刊=

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