イラク日報問題 国民の信頼失墜させる:どうしん電子版(北海道新聞) – 北海道新聞

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稲田朋美防衛相 南スーダンPKO日報問題で引責辞任 コメントはまだありません

 防衛省は、ないとしていた陸上自衛隊のイラク派遣の日報が一転して見つかったと明らかにした。

 学校法人森友学園問題を巡る公文書改ざんの事実解明も一向に進まない中で、政府内のずさんな文書管理がまたも発覚した。

 自衛隊の海外派遣に関する重要記録という点で、南スーダンの国連平和維持活動(PKO)に送った陸自の日報問題と全く同じだ。

 文民統制(シビリアンコントロール)の根幹が問われよう。組織的隠蔽(いんぺい)の有無を含め、国会は真相を徹底究明しなければならない。

 公文書管理法は公文書を「健全な民主主義の根幹を支える国民共有の知的資源」と定めている。

 自分たちに都合の悪い文書を国民の目に触れさせまいとするかのような安倍政権の姿勢はこの大原則を軽んじている。政府への国民の信頼を著しく失墜させる。

 約1万4千ページに及ぶイラク日報は、PKO日報問題が焦点となっていた昨年2月の国会で防衛省が野党の資料要求に「不存在」と回答。当時の稲田朋美防衛相も「確認できなかった」と答弁した。

 その後、PKO日報問題は7月に特別防衛監察結果で防衛省による組織的隠蔽が認定され、稲田氏は引責辞任に追い込まれた。

 小野寺五典防衛相は、イラク日報は「PKO日報問題の再発防止策の一環として丹念に探し明らかになった」と述べた。

 探せば出てきた文書を、なぜ「不存在」と決めつけたのか。ここでも隠蔽があったのではないかとの疑念が拭えない。防衛省は当時の経緯を詳しく説明すべきだ。

 さらに、文書の存在が公表されるまでの経過も解せない。

 文書があった陸自の2部局から今年1月末までに陸上幕僚監部総務課に報告されたが、陸幕から統合幕僚監部を経て小野寺氏に報告が上げられたのは3月末である。

 野党は国会審議の紛糾を恐れ、本年度予算の成立後まで公表を意図的に遅らせたのではないかと追及する構えだ。当然だろう。

 イラク派遣の陸自は人道復興支援を名目に2004~06年にサマワで活動した。戦闘状態が続く国への「戦地」派遣だと批判する野党の反対を押し切ってのことだ。

 活動地域は「非戦闘地域」に限定するとされたが、15年に公表された陸自の内部報告書によれば、迫撃砲やロケット弾による宿営地への攻撃が10回を超えた。

 日報にはより生々しい状況が記載されている可能性がある。活動内容の綿密な検証も求められる。

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