【政治考】求められる首相の「品格」 – 西日本新聞

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 安倍晋三首相の朝日新聞批判が止まらない。13日の衆院予算委員会の集中審議では、同紙の森友学園問題を巡る検証記事について、自民党議員のフェイスブック(FB)のコメント欄に「朝日らしい惨めな言い訳」などと書き込んだことを認めた。

 同紙は昨年5月、森友学園の籠池(かごいけ)泰典前理事長が近畿財務局に提出した小学校の設置趣意書に「安倍晋三記念小学校」と書いていたと証言したと報じた。同11月、財務省が設置趣意書を立憲民主党に開示し、実際には「開成小学校」であったことが判明した。

 首相は今月5日の衆院予算委で「『安倍晋三記念小学校』、こう籠池さんが申請した。これを朝日新聞が事実かのごとく報道した。裏取りをしない記事はもう、記事とは言えない」と指摘。同紙が6日付朝刊で報道の経緯について、開示された趣意書の大部分が黒塗りだったため、籠池氏に取材し、「安倍晋三記念小学校と書いた」との証言を得たと説明した。

 この記事を受け、自民党の和田政宗参院議員がFBに「籠池氏の証言のみに頼って記事にし、結局誤報となったわけだが、全く謝罪なし」などと書き込むと、首相はコメント欄に「哀れですね。朝日らしい惨めな言い訳。予想通りでした」と書き込んだ。

 予算委で首相は、森友学園とは無関係な朝日新聞の過去の「誤報」も列挙。同紙カメラマンがサンゴに自ら傷をつけた写真を掲載した29年前の事件まで取り上げ「今までのことを見てきて、予想通りだった」などとまくし立てた。

 報道機関として丁寧な裏付け取材を怠ってはならないことは当然だ。ただ、公の場で報道機関を名指しし、「哀れ」「惨め」と執拗(しつよう)にさげすむのは度が過ぎている。

 首相はこれまでも国会で質問者に「日教組」とやじを飛ばしたり、東京都議選の応援演説で抗議する群衆に「こんな人たちに負けるわけにはいかない」と叫んだりして、批判を浴びた。一連の首相の振る舞いは、意に沿わない相手に対し感情的に攻撃することを許容し、社会の分断を招くことにつながらないだろうか。

 大相撲の横綱は、技量だけでなく、その地位にふさわしい「品格」が求められる。政治指導者である首相には、政策実現だけでなく、合意形成を図る責任があるはずだ。「1強」状態だからこそ、なおさら首相には異論や批判にも懐深く対処する「横綱相撲」を取ってもらいたい。

=2018/02/14付 西日本新聞朝刊=

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