通常国会3週間 記者座談会 – しんぶん赤旗

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森友学園問題 コメントはまだありません


2018年2月13日(火)

浮き彫りになったのは

 開会して3週間がたつ通常国会は、2018年度予算案をはじめ国政の私物化疑惑、憲法9条改定問題など国政の重要課題をめぐって与野党の激しい論戦が続いています。序盤の国会論戦の特徴について、国会取材団の記者で語り合いました。



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(写真)安倍晋三首相らに質問する辰巳孝太郎議員(右手前から2人目)=1日、参院予算委

「改憲」連発・森友答弁・副大臣暴言

深まる「政治劣化」

尊重・擁護に背き

  この間、本会議や予算委員会で安倍晋三首相をはじめ全閣僚出席の質疑が行われたが、まず答弁のひどさが際立っている。安倍政権の「政治の劣化」が深まっている。

  安倍首相は改憲に踏み込む発言を連発している。なかでも、改憲議論を進めるのは「私たちの義務」(1月31日の参院予算委)とまで言い切ったのにはあきれた。首相をはじめ国務大臣や国会議員に課せられているのは、憲法を尊重・擁護する義務であって、改憲議論をする義務ではない。

  森友学園への国有地売却問題でも、安倍首相は「丁寧な説明」とは真逆の答弁を繰り返しているよ。森友問題について聞かれると、安倍首相は「朝日」や同学園の理事長だった籠池泰典被告の名前をあげて「裏とりをしない記事」「真っ赤なウソ」(5日の衆院予算委)と非難した。他者の信用をおとしめることで、議論をそらす姿勢に怒りを感じたよ。

閣僚資格欠く答弁

  首相自らこんな姿勢だから政権を支える面々も自制がきかない。衆院本会議(1月25日)では、日本共産党の志位和夫委員長が沖縄県で相次ぐ米軍機事故の問題をただしている最中に、松本文明前内閣府副大臣が「それで何人死んだんだ」とヤジを飛ばした。

  本会議場でヤジを聞いていたが、事故を軽んじる許しがたい暴言だ。赤旗記者が本人に直接あたって“自らの発言だ”と認めさせ報じると翌日、他紙も後追い取材を始めた。安倍首相はあわてて松本氏を辞任させたが、辞任で済まされる問題ではない。

  予算委員会の審議でも閣僚としての資格を欠くひどい答弁が続いている。江崎鉄磨沖縄・北方担当相は、沖縄振興に関する予算案で概算要求から減額された額「65億円」を3ケタも間違えて「650万円」(8日の衆院予算委)と答えるなど、3日連続で誤答弁をしている。江崎氏は、一度は入閣を断ったと言われている。日ロ領土問題についても自分で「素人だ」といって物議を醸した。ここでもそんな人物を閣僚に据えた安倍首相の責任が問われている。

  自身の秘書らが選挙区内で線香を配った問題が問われている茂木敏充経済再生相をめぐってもそうだね。野党が事実を確認する質問をしても「(野党の)各議員に対して、さまざまな事例の報道もある」(8日の衆院予算委)などとはぐらかす。国民の声に耳を傾けようとしない、説明して理解を得ようという姿勢もない、それで改憲に突っ走る―安倍政権は究極の「モラルハザード(倫理喪失)」政権だ。


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(写真)傍聴者と懇談する志位和夫委員長ら=5日、国会

自民支持者も「見方変えた」の声

共産党の“論戦力”

  そんな中、安倍政権に一番、厳しく対峙(たいじ)していた日本共産党の論戦が光っている。テレビ中継された質疑を見て「自民党を応援してきたが、見方を変えた」という声をいくつも聞いた。

志位質問への反響

  志位委員長が「すべての国民の権利にかかわる重大な問題だ」として、生活保護を削減しようとする安倍政権の方針を批判した(5日の衆院予算委)。当事者の言葉で、生活保護の暮らしぶりを突き付けて、「これが、憲法25条が保障する健康で文化的な生活か」との追及には「私たちの苦しんでいることをよく言ってくれた」と反響が相次いだ。

  その予算委員会の傍聴には「JCPサポーター」の人たちも含めて、91人も駆け付けて真剣に審議を見守っていた。

  そういえば、志位委員長が衆院本会議で生活保護削減の問題を取り上げた際には、自民党席からひどいヤジが上がっていたけど、予算委員会ではさすがに静まり返っていたのが印象的だった。

  森友学園への国有地売却問題では、辰巳孝太郎参院議員が、安倍首相の妻の昭恵氏から「頑張ってください」という激励の電話を受けたと同学園理事長だった籠池泰典被告が話している音声データを暴露して注目を集めた(1日の参院予算委)。

  財務省は、辰巳氏の追及で、これまで公開した以外にも売却交渉に関する内部文書が存在することも初めて明らかにしたよ。9日に財務省が新文書を公表すると、各紙が大きく報じた。「記録は廃棄した」としてきた佐川宣寿・前理財局長の国会答弁が虚偽だったことが明確に裏付けられたことになる。

  共産党の追及には、マスコミだけでなく、他党議員も注目しているね。宮本徹衆院議員が、防衛省が護衛艦で新種航空機を運用するための調査研究を行っていることを追及(7日の衆院予算委)すると、翌日の同委で立憲民主党の本多平直衆院議員も宮本氏の示した資料をもとに、護衛艦の空母化を検討している疑いを指摘。「東京」が小野寺五典防衛相の答弁を引きながら後追いしていたよ。

政治動かす力発揮


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(写真)質問する田村智子議員=1日、参院予算委

  有期雇用労働者の雇い止めをめぐっては、田村智子参院議員が参院予算委(1日)で取り上げた翌日に日本貿易振興機構(JETRO)と経済産業省が計画の全面撤回を報告するなど、実際の政治を動かす力も発揮している。

安倍9条改憲・「働き方改革」…

見えた 野党一致点

  国会序盤の論戦では、野党間の政策的一致点も見えてきたのが特徴だね。

首相の憲法観批判

  最大の課題は9条改憲だ。代表質問で、立憲民主党の枝野幸男代表は首相の憲法観を批判し「まっとうな議論ができるはずもない」と断じた。昨年の総選挙で9条を含む改憲推進を掲げた希望の党だが、玉木雄一郎代表は「立法事実がない9条改憲案には反対だ」と表明したよ。

  安倍政権が幕引きを図ろうとした森友・加計疑惑や、生活保護削減の問題も各野党がとりあげている。

  森友疑惑では、交渉記録を「全て廃棄した」との虚偽答弁を繰り返した財務省前理財局長の佐川宣寿国税庁長官について、立憲民主党の議員も同氏の罷免や証人喚問を行うべきだと主張した。

  安倍首相は「働き方改革を断行する」と表明したが、野党は「残業の上限を青天井にする働き方を拡大する」(立民・長妻昭衆院議員)、「過労死を増やす」(希望・山井和則衆院議員)と批判を強めているよ。

  野党間で政策的に一致してたたかっていける方向が生まれているのは重要だ。共産党は市民のたたかいと結んで、この国会共闘に全力をあげようとしている。

  それだけに与党は、野党の質問時間を減らし与党の持ち分を増やせと不当な要求をしている。

  実際に与党の質問時間は増えたが、政権に対する「監視役」には程遠い。予算委員会で自公の議員がひたすら「総理のご決意は?」とお伺いを立てるばかりだ。

数のおごりただす

  質問時間の配分に関する世論調査(JNN、3、4両日実施)では、「与党が多すぎる」41%が「野党が多すぎる」8%を大きく上回っている。

  国民が国会に求めていることは、政権をチェックし追及することだ。今後の国会で、数の力におごる安倍政権を厳しくただしてほしい。



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