東京新聞:主権者考える生きた授業に 前川氏招いた前中学校長:社会 … – 東京新聞

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八王子中学校に前川喜平氏を招聘したことについて話す前校長の上井靖さん=名古屋市内で

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 文部科学省が、前川喜平・前事務次官を招いた名古屋市立八王子中学校の授業について、名古屋市教委に報告を求めた問題で、前川氏を招聘(しょうへい)した同校の前校長で、3月末に定年退職した上井(うわい)靖さん(60)が本紙の取材に応じ、一連の問題について「何が問題になっており、自分はどう考えるか。生徒たちが『主権者』を考える上で生きた授業になった」と振り返った。 (小沢慧一)

 問題の質問状がメールで届いたのは、三月一日。招聘の理由を問い詰める質問が並んでいた。上井さんは「『具体的かつ詳細にご教示ください』といった変わった文言が並び、『大丈夫か、文科省』と少し滑稽さを感じた」と話す。

 「なぜ、こんな質問をするのか」と逆質問しようかとも思ったが「文科省の意見や疑問を受け止め、真摯(しんし)に答えるのが招いた者としての責任」として、市教委と共に二回にわたりA4判計八枚分の回答を送った。講演の録音データの提供も求められたが、前川氏の承諾が得られていなかったので断った。

 文科省や、後に同省に授業内容を照会していたことが発覚した国会議員に対しては、「気になる人もいるんだな」と怒りは感じなかった。当時、市教委が毅然(きぜん)とした対応をしたと感じ、その姿勢に勇気づけられたという。

 前川氏と知り合ったのは三年前の中学校長の研修会。「正解がない社会で道を切り開く人を育てるには、まず学校が多様な意見を聞き、安心して話し合える場づくりをすることが大切」という講演に共感。その後、教育関係のイベントに出演してもらうなどして、関係を深めた。

 八王子中の授業では、在日外国人が増えるなど価値観が違う人と共生するためには「生涯学び続け、話し合いながら問題を解決する力が必要」という前川氏の持論を話してほしいと依頼。ほぼ無償で応じてくれ、政治的な話はなかった。

 問題が報じられたのは、授業の約一カ月後の三月中旬。その後になって「なぜ呼んだのか」などの苦情電話が半月間で二百件殺到した。マスコミも集まったが、困惑する生徒たちに対して緊急集会を開き、「取材になったら正しいと思ったことを堂々と話せばいい」と伝えた。

 主体的な子どもを育てるには、まず大人が主体的でなければならない、と考えている。「それには批判や失敗も伴うが、生徒がこれから生きていく上で大切なこと」。生徒たちがネット上で話題にされる可能性についても考えたが「そんな中でも自分の意見を言える本当の『生きる力』を身に付けてほしい」。今もそう願っている。

<前川氏授業問題> 名古屋市立八王子中学校(同市北区)で2月16日にあった授業について、文部科学省が3月に2回、名古屋市教委にメールで内容を問い合わせ、録音データの提出を求めた。メールは、前川喜平前文科事務次官の天下り問題や、出会い系バー利用の報道に触れ、招いた理由を問いただす内容。文科省が市教委に報告を要請する前、自民党の池田佳隆衆院議員(比例東海)と赤池誠章参院議員(比例)が文科省に授業内容を照会していたことが判明している。市教委は3月末、報告を求めた意図を問う質問状を文科省に送り、4月には河村たかし市長が国会で開かれた野党の合同ヒアリングで、質問状に関して真相解明を求めた。

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