文科相発表の「2020年大学改革」国公立・私立の垣根を超える中身 … – livedoor

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文部科学省天下りあっせん問題 コメントはまだありません

地方国大・私大の経営を統合

少子化時代の大学運営について、文部科学省が「大改革案」を示した。

その内容は大胆で、2020年度から、各地方で大学をグループ化したうえで、新法人を作って、一体化した経営を行うというもの。しかもその枠組みは国公立・私立の垣根を超えるもので、一体経営によって各地域の個性をより強く打ち出すことで、大学経営の安定と学生への求心力を高める狙いがある。

少子化で各大学の経営体力が落ちるなか、地域の国公私立大をグループ経営にすることで乗り切るというものだが、この改革が成功する可能性はどれほどなのか。

この新法人は、表向きは「経営基盤を強化しグループの強みや特色を打ち出す」ために設立されるものである。グループ内の大学で共同教育課程を編成したり、施設・設備の相互利用や入試業務などの事務作業を共同化することで、各大学の得意分野に資金・人材を集中させることができるという理屈だ。

だが、このような施策を打ったところで、少子化に歯止めがかからない以上、経営破綻に追い込まれる大学が現れるのは時間の問題だ。だからこそ、文科省はその先を見通して、大学の破綻時には新法人が学生や教職員のセーフティネットになることを期待しているという「本音」がある。

新しく作られる法人は一般社団法人「大学等連携推進法人(仮称)」なるもので、文科相が新法に基づき認定する仕組みになっている。その新法人に、国立大学法人、公立大学法人、学校法人がそれぞれ運営費を拠出し、理事や職員を派遣する。

こうした仕組みは、’90年代後半に相次いだ金融機関の破綻処理策を彷彿とさせる。’90年代以前には、日本の金融機関は破綻するはずがないという「神話」がたしかにあった。ところが、バブル崩壊に象徴される経済変動を目の当たりにすると、その神話は崩壊する。それでも、金融機関を潰してはいけないという議論が巻き起こった。

結局、金融機関の破綻後の仕組みを作らなかったことにより、日本経済全体が受けたダメージはより大きくなった。こうした前例を考えると、大学の破綻処理の仕組みを考えておくのは正しい。ただし、その方法として「新法人」が適切であるかどうかは精査する必要がある。

金融機関の場合は、破綻にともなう混乱を最小限に留めるため、「資金援助方式」が優先されることになっている。この方式では、破綻した金融機関の事業を救済金融機関に移管し、その救済金融機関に支援を行う。あくまで、新たな法人を立てて受け皿を作るようなことはしない。

この考え方から見れば、文科省の提案する大学運営の新方式は、必ずしもコストの面で「最小」とはいえない。国立大学法人、公立大学法人、学校法人という法人格縦割りが障害となり、事業の移管がスムーズにできないからである。これを解決するためには、まず大学の法人格を一本化したほうが早いし、新法人を作る必要もなくなる。

穿った見方をすれば、新法人の設立は文科省官僚の新しい天下り先の確保の手段にも見える。

とにもかくにも、学校法人の破綻に備えるうえで、よりコストがかからない方法はほかにもあるのだ。

『週刊現代』2018年4月14日号より

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