ライトオン、「38歳新社長」で赤字脱却なるか – livedoor

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昨年度は上場来初の営業赤字となったライトオン。川粼純平新社長のもと、業績回復を成し遂げることはできるか(編集部撮影)

昨年度、上場以来初の営業赤字に陥ったジーンズカジュアル大手のライトオン。新たな経営体制の下、復活を果たすことはできるのか。

「今期を黒字化させることが大命題。(自分の在任期間中に)過去最高業績をもう一回達成させたい」。4月3日に開かれた中間決算説明会で、川粼純平新社長はこう強調した。

異例のスピード出世

同社は4月1日付で、約7年ぶりに社長交代を行った。新社長に就いた川粼氏は2002年入社の生え抜きで、現在38歳。ライトオンに入社後は店舗販売業務を皮切りに店長も務め、2011年、異例の出世スピードで執行役員経営企画部長に就任した。ネット通販の強化を進める中でITの責任者も歴任し、2017年11月には取締役に就いたばかりだった。


4月に就任した川粼純平社長は現在38歳。異例のスピード出世で社長になった(記者撮影)

創業者で現在も代表取締役会長を務める藤原政博氏が、取締役管理本部長(当時)であった横内達治氏に社長の座を譲ったのが2011年のこと。今回の交代で横内氏は取締役副会長に退き、川粼氏は同社にとって3代目の社長となる。

藤原会長から社長就任の打診を受けたときのことを川粼氏は、「(今年2月末の社長交代発表の)結構直前だった。驚かなかったわけがない」と振り返る。

4月3日に発表されたライトオンの2018年8月期上期決算は、売上高397億円(前年同期比7.1%減)、営業利益9.3億円(同302.1%増)と減収ながら増益で着地。客数の減少で売り上げは低迷したが、在庫圧縮で値引き処分が減り、粗利益率が改善した。通期では、売上高770億円(前期比3.8%減)、営業利益12億円(前期は28億円の赤字)と、黒字復活を見込む。

停滞が続いた10年間

昨年度は、前年から持ち越した在庫を多数抱えていたうえ、子どもや女性向けを中心にトレンドに合致した新商品を投入できず、新鮮味に欠けた品ぞろえで客離れが進んだ。膨らむ在庫の値引き処分を余儀なくされ、粗利益率が悪化。その結果、集客強化のための販促費もかさみ、大幅な営業赤字に転落した。

「売り上げと利益がこの10数年、停滞した状態が続いている。(過去の)成功パターンが強すぎて、自信を持ちすぎてしまった」。川粼新社長は業績不振の理由について、これまでの企業体質そのものに問題があったと分析する。

同社の売上高は、2007年8月期から2009年8月期まで1000億円を超えたが、それ以降は700億〜800億円台を推移。営業利益も2006年8月期の96億円をピークに、減少傾向となった。かつては郊外ロードサイドやショッピングモールへの出店を同業他社に先駆けて行い、好立地に店を構えて成長してきた。商品面でも新規ブランドの開拓を積極的に行い、「売上高1000億円に上がるまでは、世の中の流れにいち早くついていくことができていた」(川粼新社長)。

それが近年は既存ブランドとの取引が中心となり、品ぞろえがマンネリ化。店舗数を増やすことに主眼を置いていた結果、集客の弱い商業施設などに出店するケースも目立った。リーマンショック後は、ジーユーやドン・キホーテが安価なジーンズを発売したことも打撃となり、外部環境や市場の変化に取り残されていった。

同社は赤字脱却に向け、川粼新社長の下で改革のスピードを上げていく方針だ。大量のジーンズを壁面に縦積みするのを基本としていた売り場は、一つ一つの商品を台の上に広げたり、コーディネートさせたマネキンを複数投入したりして、特徴がわかるような陳列に変更。テーマやブランドごとに、アウターやボトムス、雑貨も混在させたコーナーを用意して、演出力を強化する。

4月から原宿に営業系部門を移転

商品の仕入れでも、トレンドに対応したものを適宜投入できるよう、短期生産による商品の発注割合を増やしていく。約500店舗を展開するスケールメリットを生かし、リーバイスなど有名ブランドとの別注アイテムの開発にも力を入れ、他社との差別化を打ち出す。


川粼純平新社長は「今まで値引き販売で売り上げを作ってきた部分が大きい」と語り、プロパー販売の比率を上げると強調した(記者撮影)

商品開発や売り場づくりにかかわる部門はこれまで茨城県つくば市の本社内に置かれていたが、トレンドの変化に関する情報を取得するタイミングを早めるため、4月9日からは原宿オフィスに移転。社内にマーチャンダイジングなどのノウハウが少ないこともあり、商品部や生産部を中心に外部人材を10数人登用した。

足元で粗利益率は改善しているとはいえ、昨年9月度〜今年3月度までの既存店売上高累計は、前年同期比で8.9%減と苦しい状況が続く。会社側は今下期(3月度〜8月度)の既存店売上高を前年同期比1.5%増と見込むが、競合の攻勢も厳しく、もくろみ通りになるかは不透明だ。

値引き抑制やコスト削減で今期黒字化を達成できたとしても、売上高が回復しない限り、かつての勢いを取り戻すことは難しい。市場環境が厳しさを増す中、会社をどう成長軌道に乗せていくのか。川粼新社長の手腕が試される。

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