【パチンコ店倒産増の裏に】 – 大阪日日新聞

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浅野秀弥の未来創案

2018年2月15日


夢洲カジノの将来が透ける

 1月末の東京商工リサーチのリポートを見ていると、市民ギャンブルの王様・パチンコ業界で倒産が相次いでいるようだ。今月から改正風営法で出玉が3分の2に規制され、一時は落ち着いていた業界の秩序が一気に崩れてきている。

 減少する客を奪い合う格好で、大手は攻勢を強め資金力に物を言わせて売り上げ減で経営が厳しくなった中小の既存店を買収に掛かっている。中小側も風営法による営業権付きで店舗を売り渡そうと高値を吹っ掛けるため、おいそれと物件そのものが動かない。最近は機械メーカー側も危機感を抱き、直営店舗として出店傾向にあるのも業界全体の冷え込みでパチンコ台そのものが売れないからだ。

 パチンコにフラフラと大金を投じ続けてやまない人は、精神科の領域であるギャンブル依存症が多い。よく勘違いされるが、依存症は酒やたばこも同じで心の病の一種であり、「意志が弱くだらしない」からでも、「生来の好き者」でもない。キチンと治療メニューに従って取り組まないと、自身の意志で制止することは不可能だ。

 世界的にみて、日本におけるパチンコ店のような公然たるギャンブル場が街のいたるところに点在する国はない。日本にはいまだ公営カジノはないが、その分パチンコ店が公営ギャンブルの競馬や競輪などと並んで市民社会に機能してきた。かつては業界全体が閉鎖的な一面があったが、最近では異業種の参入や女性従業員の増加などで、近代化が急速に進み業界の体質自体が随分変わってきた。

 しかしパチンコに取って代わるような存在として、維新の会が推し進めている夢洲へのIR(統合型リゾート)に名を借りたカジノ誘致が成功するという見通しは全くの画餅だ。カジノ自体が世界的不振の中で、消費者の懐も冷えたまま。パチンコ店もさっさと温浴施設に衣替えするところも増えた。政府のIR法は負債を上積みさせるだけで、パチンコに対するギャンブル依存性対策の遅れ一つを取ってみても、到底問題点解決に前向きとはいえない。


 あさの・ひでや(フリーマーケット=FM=社社長、関西学生発イノベーション創出協議会=KSIA=理事長)1954年大阪市生まれ。わが国のFM創始者で日本FM協会理事長。関西経済同友会幹事。数々の博覧会等イベントプロデュースを手掛ける。

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