「東芝メモリ」の売却が間に合わなかったいま「東芝問題」を振り返る(田中 … – 現代ビジネス

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東芝 米原子力子会社ウエスチングハウス(WH)破産法申請 コメントはまだありません

東芝問題をいま振り返る意味

東芝メモリの売却が当初の予定であった3月末までに間に合わなかった。想定された事態であり、結果的には昨年11月の第三者割当6000億円増資が、東芝の上場維持にとって一番のポイントだったわけである。

中国の独禁法審査は今も継続しており、東芝経営陣は引き続き東芝メモリの売却を続けるとコメントしており、次の売却のタイミングは5月になるとか。

まだ予断を許さない状態ではあるが、あまりにも論点が多かった東芝問題、ここで一度整理しておきたい。

大きく論点は5つである。

1. 原子力発電事業

2. 不正会計

3. 特設注意銘柄

4. 東芝メモリ売却

5. 第三者割当増資

全てはつながっているため、先ずはここまでのイベントを時系列で整理しておく。

不正会計のリークが始まりだった

この一連の東芝問題の発端は2015年2月12日に、東芝が不正会計を行っているという内部通報が証券取引委員会(SEC)にリークされ、SECが調査に乗り出したことだ。

その内容は2008年~2014年Q3までの間に、インフラ工事の進行基準、パソコンのバイセル取引、半導体の在庫評価等の不正会計で、総額1518億円の利益の水増しをおこなっていたものだった。この不正会計の件で、2015年7月に西田相談役、佐々木副会長、田中社長以下、取締役16名中8名が辞任する事態となっている。

重要なのは、この件と原発事業の減損とは関係ないということである。不正会計の発端は、2008年のリーマンショックによる極度の売上不振に陥った結果、西田社長時代からの「チャレンジ」という言葉の下、業績未達社員に対する激しい叱責や、見せかけの利益のかさ上げと赤字回避が横行し、内部統制が利いていないことが問題だった。

一方で、原発事業は、2006年のウエスチングハウス(WH)買収から始まる。WHは当時、東芝、三菱重工、GEによる買収争奪戦が繰り広げられ、当時三菱重工が有利と見られていた。さらに米ブッシュ大統領と商務省がGE買収を支援声明するなどで、焦った東芝が当初の総手買収価格の3倍以上である6210億円で買収した。この時に東芝は3500億円ののれんを計上した。

当時の東芝の原発の発電様式はBWR方式というGEが由来の方式であり、日本では東京電力、中部電力が採用していた。一方でWHはPWR方式とよばれ世界の主流方式であり、関西電力が採用していた。

東芝はこの買収で、従来のBWR方式に加え、PWR方式を手中にし、原発3強(仏アレバ、GE・日立、東芝・WH)の一角に入ることができ、当時、西田社長は「2015年までに33基の受注を見込む」とコメントしている。

その後、東芝・WHは2007年にカザフスタンのウラン権益獲得、2008年に米ジョージア州、サウスカロライナ州で各々2基、合計4基の受注に成功した。

原発減損は福島第一原発事故に起因

しかしここで、2011年3月、東北大震災による福島第一原発事故が発生する。原発事業の最大のリスクが顕在化してしまったことにより、当然ながら既に受注していた工事がストップ、キャンセル等が大量に発生しまい、2012年3月期に約762億円、2013年3月期に約394億円の合計1156億円の減損が発生した。

東芝経営陣は「影響は軽微である」とし、このタイミングでは発表をしていなかった。しかし監査法人の見解もあり、結局は2016年3月期にWH関連の減損として、2476億円を計上することになる。この期の第三四半期開示では最終赤字7100億円の見込みを発表し、過小資本となることから、虎の子の東芝メディカルシステムズをキャノンに6655億円で売却している。

但し、原発事業の減損はこれでは終わらなかった。

2015年12月、原発の建設が進まないことに業を煮やした東芝の子会社である米ウェスチングハウス(WEC)が、米CB&Iから米ストーンアンドシェブスター(S&W)を買収したが、買収における取得価額配分作業について、1年間の猶予を設定するも、結果的に2017年、S&Wの識別可能純資産が大幅なマイナスとなることが判明し、これにより約7,000億円規模ののれんが発生、減損対応が必要となったのである。

取得価格は270億円でのれんが105億円なので、減損は105億円で良いのではないかと思うが、追加コストである運転資金が大幅に上昇しており、「WECは、プロジェクトの完成にはCB&Iが当初見積もりより更に32億ドルのコストの積み増しが必要とされ、その金額も減損対象となったものである。

一連の東芝問題では、このS&Wの減損が東芝の最大のトリガーであり、結果的に2017年3月期は減損1兆3942億円、最終赤字9656億円と抜き差しならないところまで来るのである。

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