三菱マテ会長、事実上の引責 本体人事に不正波及 – 日本経済新聞

Home » マスコミ不祥事 » 三菱マテ会長、事実上の引責 本体人事に不正波及 – 日本経済新聞
マスコミ不祥事 コメントはまだありません

 三菱マテリアルは13日、矢尾宏会長(71)が4日1日付で取締役相談役になると発表した。6月末の株主総会後に取締役も外れて経営から退く。同社では2017年11月以降にグループ5社で品質データの不正が発覚し、矢尾氏は不正があった三菱アルミニウムの社長経験もあっただけに事実上の引責辞任とみられる。竹内章社長(63)ら他の経営陣は3月以降に終了する社内調査の後に進退を判断する見通しだ。

 矢尾氏は10年から15年まで三菱マテの社長を務めた。同社が発表したプレスリリースでは矢尾氏の会長退任などの理由について「経営体制の変更を図るため」と説明。同社広報室は「通常の人事であり、不正問題とは関係がない」(同社広報室)とした。

 ただ、三菱マテが起こしたデータ改ざんなどの不正問題は深刻で、三菱グループの信頼を傷つけている。不正な製品を出荷した企業は約750社に及ぶ。17年10月に不正が発覚して批判を浴びた神戸製鋼所の525社を上回る。業界関係者の間では「(不正問題がなければ)あと1~2年くらいは会長を続投していた」(同業他社幹部)との見方が多い。

 矢尾氏は主力事業である超硬工具の営業マンとして頭角を現し、グループを統括する経営企画や財務の責任者になった。不振にあえいでいた2つのアルミ子会社、ユニバーサル製缶と三菱アルミの社長をそれぞれ歴任。短期間で再建させた実績を評価され、10年に三菱マテ本体の社長に抜てきされた。

 だが、社長在任中は思うような成果を残せなかった。14年に半導体の材料を生産する四日市工場(三重県四日市市)の爆発事故で、5人が死亡した。日本鉱業協会とセメント協会の会長を任期途中で退いた。三菱マテの社長も事実上、事故を理由に15年に辞めることになった。

 「あそこは、アルミ事業を知らない人が社長に送り込まれている」(アルミ大手首脳)。不正があった三菱アルミは1962年に設立しているが、これまでプロパー社長はいない。08~10年に社長だった矢尾氏以降も本体から社長が送られており、製造現場と経営トップの距離は遠かった。

 品質不正は長期にわたって続いていたとみられ、今回は矢尾氏の直接の責任を問う声が社外からも上がっていた。

 三菱マテが同日発表した18年3月期連結最終利益は前年同期比23%増の350億円を見込む。不正対応による出荷減や調査費用で60億~80億円の減益要因になるが、資産売却などを進め大幅増益になる見通しだ。会社のブランドが低下する中で不祥事を早期に収拾することができるか。竹内社長ら経営陣は正念場を迎えている。

(大西智也、鈴木泰介)

LEAVE A COMMENT