技能実習法施行 監督強化で制度の適正化を : 社説 : 読売新聞 … – 読売新聞

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 途上国に日本の技術や知識を伝える。技能実習制度を実のあるものにするには、原点に立ち返った運用が求められる。

 技能実習適正実施・実習生保護法(技能実習法)が施行された。様々な職種の技術を身に付けるために来日する外国人実習生の保護強化や制度の拡大を図るのが主眼である。

 賃金不払いなどの不正監視を強める。優良な受け入れ先での実習期間を3年から5年に延長する。受け入れの人数枠も広げる。

 受け入れ先の不正監視の柱となるのが、新設された認可法人「外国人技能実習機構」だ。企業などが作成する実習生ごとの実習計画をチェックし、実地検査も行う。計画が守られていなければ、受け入れの許可取り消しもできる。

 従来は、厚生労働省の委託を受けた民間機関による巡回指導だけだった。法的権限はなかった。

 実習の成果が着実に上がるよう、機構は受け入れ先をしっかりと指導・監督してもらいたい。

 制度は1993年に国際貢献の名目で始まった。実際には、人手不足の職種に外国人労働力を供給する手段として使われた。実習生は低賃金で過酷な状況に置かれていると内外の批判を浴びた。

 長時間労働などの違反が見つかった実習先は昨年、過去最多の約4000か所に上った。多額の賃金不払いなどの労働基準法違反で送検されたケースもある。

 実習生への暴行やパスポートの取り上げなど、人権侵害も目立った。これまでの実態を考えれば、悪質な行為に対する罰則が新法に盛り込まれたのはうなずける。

 通報・相談窓口を充実させ、必要に応じて実習先を変更するといった支援を行う必要もある。

 実習生は今年6月末時点で25万人を超える。5年前より10万人も増えている。対象職種の拡大などにより、来日する実習生は今以上に増えるだろう。

 対象職種には、初の対人サービスとして「介護」が追加された。高齢化が進む途上国に日本の優れた介護技術を広げるというのが表向きの目的だが、国内の介護現場で深刻化する人手不足を補う側面があるのは間違いない。

 重要なのは、サービスの質の低下を招かないことだ。介護職場では、利用者やその家族、同僚との意思疎通が特に大切である。

 特別養護老人ホームなどの受け入れ施設は、制度を安易な人材確保策とせず、実習生の育成に注力すべきだ。日本語教育や技能研修の充実が欠かせない。

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